ep21 倒せ、無敵のバトラーキング

殺人事件を解決した後も、フェイはバトリングで順調に勝ち上がっていた。

そしてリコとの決戦前夜。シタンとハマーを伴って、フェイはヴェルトールのメンテナンスをしていた。

しかし委員会からパーツの供給を受けているリコのシューティアとの性能差は歴然としていた。

もっといいパーツはないのかと焦るフェイの前に、突然ワイズマンが現れ戦いを挑んできた。


相変わらずワイズマンに手も足も出ないフェイ。やがて武技雷迅を叩き込まれてしまう。

ワイズマンは倒れたフェイに、能力差を埋めるためには隙を突く事が重要だと教えた。

去ろうとする彼を呼びとめ、フェイはなぜ自分を知っているのか聞こうとした。記憶を失っている事をつげ、少しでも情報が欲しいと訴えるフェイに、ワイズマンは語り始めた。

ワイズマンとフェイの父、ウォン・カーンが同門の徒である事、共にカレンと言う名の女性に恋をし、カーンが彼女を娶りフェイを産んだ事、その後修行の旅に出たワイズマンの下にカーンから、グラーフという男がフェイを攫ったと手紙を受け取った事、そして三年前、フェイを探していたワイズマンはカーンから息子の居場所を突き止めたと知らせを受け、急行したその場所で大怪我をしたカーンとフェイを見つけた事、その後カーンはグラーフを追って旅立ち、ワイズマンもフェイをラハンに預けてカーンを追った事。

最後に彼は、カーンが武官をしていたのが空に浮かぶシェバトだと告げ、姿を消した。

ワイズマンが去った後、フェイは彼の教えから一縷の勝機を見出した。


翌日、ついにリコとの決戦。フェイは力で押してくるリコに対しヒットアンドアウェイで翻弄。途中幾度か押し切られそうになるもリコの姿勢が乱れた一瞬の隙を突き、見事勝利を収めた。

決勝の直後、敗れたリコはある覚悟を持って団体戦に向かった。


その頃アヴェ国内ゲブラー基地では、エリィたちが出撃のために格納庫に来ていた。

格納庫から見えるドックには8艦の爆撃艦が待機していたが、その内コントロール艦はわずか1艦。その他は全てエーテル誘導による艦だった。

彼らがその編成に驚いていると、そこへエレメンツの一員ドミニアがあらわれた。

ユーゲント時代彼女と同期だったエリィは、彼女にこの作戦の目標を尋ねた。

エリィにコンプレックスをもつドミニアは切り口上で、元来ラムズを隔離するために設置したゲートを越える事ができるゲートキーパーをキスレブが入手したための粛清として、原子炉を爆破する事を伝えた。

無差別に人々を殺す事になるこの作戦を非道と非難するエリィに、ドミニアは苛立ちを隠さなかった。

「気でも違ったか。過ぎた知識は家畜には不要なのだ。ラムズは我々が管理せねばならん」

「あなたももとは地上の人間でしょう?それなのに……

「私はラムサス閣下に選ばれた人間だ! ユーゲント時代、せっかくの素養がありながらその責任を放棄して逃げ出した貴様に言われる筋合いはない!」

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