epEX ゾハルとデウスと波動存在

西暦20XX年の地球、40億年程前の地層から後にゾハルと呼ばれる明らかに人工的な物体が発掘された。

解析の結果それは約150億年前、すなわち宇宙誕生の瞬間には既に存在していたことが分かった。

このありえない結果を受け、ゾハルの研究は一時凍結。研究再開には5000年の時を要した。


その間人類は宇宙への進出を続け、2500年ごろには宇宙への移民計画が発動された。

計画により年号が西暦からT.C.に改められてからおよそ300年後、人類は移民可能な惑星を見つけ、そこを新たな母星とすることに。


それからおよそ4500年後、各宙域で紛争が起こる星間戦争時代。

5000年の放置の後、再開された研究によりゾハルによって事象変異が引き起こされることが分かり、それを有効利用すべく研究する「プロジェクト・ゾハル」が立ち上がる。


やがて制御システムである生体電脳カドモニとの連結によって制御が可能になったゾハルは、無限のエネルギーを生み出す事象変異機関としてかねてより激化していた紛争を解決すべく開発中であった生体兵器デウスの動力源として組み込まれ、星間戦略兵器デウスシステムが誕生した。

しかしながらその起動実験の際、デウスシステムは原因不明の暴走を起こし、周辺宙域のコロニーに次々と侵攻。軍により強制停止される。


その後デウスシステムは凍結されたまま、原因調査のために恒星間移民船エルドリッジに収容された。

デウスシステムによって被害を受けたコロニーの住民らも収容して出航したエルドリッジだったが、デウスシステムの突然の再起動によって船は制御を奪われ、本星(地球)へとワープを始める。

エルドリッジの艦長はそれを阻止するべく自爆を決断。実行する。

ワープ中に自爆したエルドリッジはどことも知れぬ宙域に投げ出され、とある惑星へと墜落していった。



デウスシステムは実質的な攻撃兵器であるデウス、動力源であるゾハル、ゾハルを制御する

生体電脳カドモニの三つの要素で構成されているのだが、このカドモニに予期せぬトラブルが

起こったことが全ての始まり。


ゾハルとデウスの連結実験の最中にゾハルの発するエネルギーのためか、はたまた事象変異と言う現象自体が原因なのか、次元の境目に歪みが生じ、三次元世界よりもっと高位の次元との通路のようなものが開いてしまった。

高次元から降臨した波のような存在、波動存在は三次元世界では物質化できないためにカドモニのメインフレームである生体素子ペルソナを一時的な拠り代とした。

さらにその時、試験場になぜか偶然アベルと言う少年が紛れ込んでいた。

三次元世界に降臨して間もなく、定義付けがなされていなかった波動存在はアベル少年の回帰願望を感じ取って母親と定義付けられ、生体素子ペルソナを女性の姿に進化させてオリジナル・エレハイムを作り出した。


アベルの定義付けによって三次元世界において物質の檻に閉じ込められてしまった波動存在は高次元への回帰を願い、肉体であるデウスを破壊し自身を解放する接触者としてアベルを運命付ける。

その運命によりアベルは肉体が滅んでも魂に記憶が刻まれ転生を繰り返す事になった。


その後エルドリッジの墜落により多くの構成物質を失ったデウスシステムは自身を復旧させる計画を実行する。

復旧に必要なものは生体兵器であるデウスの部品を構成するための生体。

墜落時に各地に散らばったカドモニの部品であるアニマ。


まずデウスシステムは生体素子ペルソナから始祖の女性ミァン・ハッワーを作った。

ミァン・ハッワーはカドモニの構成部品アニムスから始祖の人間天帝カインと12人のガゼルの法院を作り、その後人間の管理者として自らの分身エレハイムとミァンを作った。

カインとガゼルの法院はデウスの部品としてのヒトの原型を量産し、以後ヒトは進化を続けながら増えていく。


《オリジナル・エレハイムとミァン・ハッワーとエレハイムとミァン》

アベルによって波動存在が定義づけられ、結果オリジナル・エレハイムが出来た。

ミァン・ハッワーとは、オリジナル・エレハイムがカドモニのプログラム「SystemHAWWA」によって変容した時の名称であり、基本的にオリジナル・エレハイムと同一人物。

ミァン・ハッワーが分化した片割れのエレハイムは、波動存在の(より正確に言うならば、アベルの意思を受けとった波動存在の)意思によって母としての役割を持って生み出された。

もう片一方のミァンは、純粋に管理者としての役割を持って生み出された。

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