ep28 敵の手に落ちて 裏切りの代償/ねらわれた艦 ラムサス奇襲!
ソラリス製の、しかも水中用のギアに追いつけるはずも無く、フェイは追撃をあきらめざるを得なかった。
ユグドラシルに戻ったフェイは、被弾したユグドラの寄港先としてタムズに向かうように言った。
タムズに向かう間、彼はバルトからこれまでの経緯を聞いた。
真っ赤なギアにやられて砂の海に沈没したユグドラシル。しかし沈没した地下には巨大な空洞があり、そこにユグドラシルそっくりの潜水艦が眠っていたという嘘のようなホントの話。
その後ユグドラシルから使える所を移植したユグドラシル2世で、バルトは真っ先にニサンへ向かいマルーを連れてきたのだという。
そんな話をしているうちにユグドラシルはタムズへ到着。早速艦長に会いに行ったバルトは、案の定艦長と意気投合。ビアホールに招かれたのだった。
その頃、ラムサス艦に収容されたエリィがドミニアに激しく叱責されていた。
「まだそのような世迷い言を言うか貴様!」
「私は間違ったことなんて言ってない!」
「これ以上、下らん問答を繰り返す気はない!貴様の反逆行為は既に明白!この場で叩き斬ってくれる!」
ひるまず反論するエリィに、ドミニアはついに剣を抜いた。
「おやめなさい」
そこへミァンが現れエリィを庇った。
「貴様!何の権利があって!?」
エリィを連れて行こうとするミァンに詰め寄ったドミニアだったが、ミァンの眼力に気おされ、口を閉ざしてしまった。
「な、…何なのだ?あの眼……」
「…そう、そういうことだったの。他への示しもありますから、しばらくの間、ここで我慢してね。」
「わかっています。」
ラムサス艦居住区の一室で事情の説明を受けたミァン。
「澄んだ湖面のような碧色…。貴方の瞳って、とてもきれい。」
ミァンはそう言いながらエリィの目を見つめた。ミァンの目が奇妙な光を発した。
タムズ。ビアホールで飲んだくれていたバルトたちにエリィ帰還の報が伝えられた。彼女はフェイたちに迎えられると、疲れていると言って一足先にユグドラシルに乗り込んだ。一人になった彼女はふらふらと機関室へ向かい、スレイブジェネレーターのコントロールパネルを操作して機関を暴走させ、倒れこんだ。
突然の事に技師やフェイらが困惑する中、ひとり落ち着き払ったシタンが機関の暴走を止めた。彼によると、エリィは強力な催眠術に操られていたとの事だった。
ともかくエリィを医務室へ運んだものの、機関は大ダメージを受け修理に時間を要するとの事だった。
医務室で彼女が目を覚ますと、事情を聞く暇も無く発令所より敵機の接近が伝えられた。
エリィは自らの潔白を証明するため、バルト、フェイと共に迎撃に出た。
まず襲ってきたのはドミニアの専用ギア、ブレードガッシュだった。エーテル剣で激しい攻撃を仕掛けるブレードガッシュを何とか退けると、水中から爆撃があった。即座に水中へ潜った彼女らは、ハイシャオを操るラムサスと対峙した。
ラムサスの狙いはフェイただ一人。ハイシャオの集中攻撃を受けたヴェルトールの装甲は破損、コックピットに海水が浸入し、フェイは意識を失ってしまう。ラムサスが止めを差そうとしたその時、エリィがエアッドを起動。間一髪のところでラムサスを退けた。