ep29 少年司祭 我らがために祈り給え

タムズの医務室。意識不明のままのフェイの傍らで、エリィは責任を感じて落ち込んでいた。

その姿を見かねたタムズの医師は『教会』本部の医局ならば治療の手立てがあるかも知れないと言い、現在タムズに来ている教会のエトーン<罪をあがなう者>(注1)に話してみれば、もしかすると紹介してもらえるかもしれないと教えた。


早速そのエトーンを探しに向かったエリィは、甲板広場でちょっとしたトラブルに出くわした。銀髪の少女が悪漢にかどわかされようとしていたのだ。それを助けるエリィ。しかしそこに現れた少女の父親は、エリィがソラリスの軍服を着ているのを見て、彼女に銃口を向けた。

そこへシタンが仲裁に入った。少女の父親はジェサイアと言い、ユーゲント時代のシタンの先輩だったのだ。

ジェサイア、通称ジェシーは非礼を詫び、口の利けない娘のプリメーラに代わって礼を言った。

シタンとジェシーが互いの近況を語っていると、タムズの医師がエトーンを連れてやってきた。そのエトーンはジェシーの息子のビリーと言う少年だった。ジェシーは『教会』からはテロリストと目されており、ビリーとはそれも含めて確執がありこの時も口論になりかけた。しかし妹が助けられた事を知ると、ビリーはエリィに礼を言いフェイを『教会』の医局へ紹介する事を約束した。


注1:アクヴィに出没する死霊<ウェルス>(注2)を浄化する役目を持った聖職者の事。武器やギアの扱いに長ける。

注2:人以上の知能を持つ者もいる、謎の生物。

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