ep10 脱出、大鍾乳洞! 地底の隠者
地底の鍾乳洞に落ちたフェイとバルトはとりあえず誤解を晴らし休戦。共に出口を探す事にした。
その頃、地上ではユグドラシル乗員が護送船乗員の救助を行っていた。
ユグドラシルの甲板で、シタンはユグドラシルの副長でありバルトとは逆の目に眼帯をしたシグルドと対峙していた。シグルドが語りかける。
「偶然とはいえ、よりによってお前に会うとはな」
どうやら面識があるらしい。シタンは意味ありげに答えた。
「偶然ではありません、恐らくは必然……」
「……何が始まるのだ……ヒュウガ……」
鍾乳洞内部。調子の悪くなったギアをなだめつつ進むフェイとバルトは、ポツンと建つ人家を発見した。
そこには足音を聞いただけでギアの調子を見抜く、バルタザールという老人(以下バル爺)が住んでいた。
バル爺はここで物探しをしていると言い、その一部である化石を見せた。
一万年前を境に人骨が出土しなくなる事から、教会の唱える進化論よりも伝承を信じるとバル爺は言った。
「神の楽園から追放された人間は、神を憎み、巨人を作って神に挑んだ。結果、善き心を持った一部の人間を除いて人は滅ぼされ、神自身も傷ついて楽園と共に海中で永い眠りについた。」
話を終えた後、バルトはバル爺に太古の昔に作られた全てのギアを超越する『ギア・バーラー』について何か知らないかと尋ねたが、バル爺は「"そんなもの"は存在せん」と一蹴し、フェイたちのギアを修理するために出て行ってしまった。
フェイとバルトがギア・バーラーについて話していると、ヴェルトールをいじっていたバル爺が声を上げた。
二人が様子を見に行くと、バル爺は呻いて言った。
「こいつは……神を滅ぼす者の拠り代……」
その言葉について問いただそうとするフェイ達だったが、けんもほろろに追い出されてしまった。
バル爺に追い出され教えられた出口に向かう二人は自律行動型のギア、カラミティに襲われた。
隙をつかれて袋叩きにされたヴェルトールだったが、突然暗黒の波動を伴った拳でカラミティを消し去る。
なぜそんな技が出せたのか分からず困惑しつつ、2人は共にその場を後にした。
その後鍾乳洞を脱出した二人は、バルトの案内でユグドラシルとの合流地点に向かった。