ep19 目指せ、バトリングの勇者
巨大な球体に埋め込まれたスクリーンに映ったガゼルの法院が議論している。
「予想より早かったな……触れえざる者の目覚め……」
「あれから三年。メモリーキューブの情報に拠れば、今はノアトゥンだ」
「500年前、ヤツさえ現れなければラムズを"アニムス"とすることも無かった」
「各エリアでの"アニマの器"の発掘は順調だ。ゲートキーパーの起動、もっけの幸いだったな……」
「イグニスの均衡、破るわけにはいかん。それにあれは不浄の地だ。カインも異存はあるまい」
「粛清だ。だが、第三艦隊の兵力で足りるか?"ゲーティアの小鍵"は来るべき時まで使えん」
「あそこには旧文明の原子炉がある。あそこにはもう得るべきものもない。直撃ならば……」
「では、裁決を下そう……」
ノアトゥン。バトリング出場を決めたフェイは恩赦目当てでマネージャー兼メカマンを買って出たハマーに出場登録をしてもらい、早速参戦するためにシタン、ハマーと共に闘技場へ向かった。
闘技場で委員会に迎えられたフェイは用意されたギアに登場するためパドックへ向かった。そこにはあのヴェルトールがあった。
驚くフェイにシタンは、キスレブの軍事プランの一環としてバトリングのデータが収集されている事から、フェイとヴェルトールのデータを取ろうとしているのではないかとの推測を語った。
キスレブの思惑はどうあれ、乗りなれたヴェルトールでフェイは緒戦に挑んだ。
初戦の相手はフェイと洗礼の儀式で戦ったリコ配下のレオナルド。フェイは試合を有利に進めたが、後一歩の所で機体に異変が。レオナルドがヴェルトールに爆弾を仕掛けていたのだ。その爆発によってヴェルトールは戦闘不能に陥ってしまった。
その夜、D区画の地下下水道にレオナルドとハインリヒの姿があった。この地下下水道はモンスターが住み着いており、そのモンスター退治が囚人達の最大の収入源なのだ。
突然ハインリヒの悲鳴が響き渡った。彼の元へ駆けつけようとしたレオナルドに何かが襲い掛かる。
翌朝、医務室で目覚めたフェイは心配するシタンに嫌な夢を見たと語った。
いぶかるシタンに手を振り、フェイは闘技場へ向かった。彼は昨日の緒戦で既に負けてしまっていたが、本選出場権を持っていたレオナルドとハインリヒが棄権したため、フェイは繰り上げ進出となったのだ。
その後、フェイは二日目、三日目と順調に勝ち進んで行った。