ep5 出会い 緑の森の少女

ラハン村を後にし草原を抜け、フェイは迷いの森とも呼ばれる黒月の森に入っていった。


沈うつな表情で森を行く彼の背中に、突然異国の言葉で声がかかった。

振り向くと、オレンジの髪を長く垂らした少女が銃を突きつけていた。

「動かないで!追撃してきたキスレブ兵ではないようね。

でも任務中に接触した地上人<ラムズ>は誰であれ消去せよと命令されているのよ。悪く思わないでね。」

「あんた迷ったのか?」

「質問だけに答えて!どうすればこの森から出られるの?」

フェイの気遣いをものともせぬ少女。しかし強気な言葉とは裏腹に、その銃口は震えていた。

「悪いな。俺も出口を探してるんだ。」

「そう


静寂。


「いつまでそうしている?俺を撃つんじゃなかったのか?撃つのなら早くしてくれ。」

「お、おかしいことを言うのね。あなた、自分の置かれている立場がわかっているの?」

「立場なんてどうでもいいんだ。どうせ俺は生きている価値の無い男だから

「こ来ないでっ!」

そう言いながらフェイは少女に迫っていった。

その行動に動じた少女は思わず引き金を引いてしまうが、弾は外れてしまう。

「どこを撃っている?ここだ、ここを撃ってくれ。さあ

「あなた変よ!どうかしている!少しは抵抗なさいよっ!」

発砲にもひるまないフェイに恐怖する少女。

そこに突如怪物が襲い掛かった。

「やめろーっ! "エリィ"に手を出すなーっ!」

フェイはそう口走り、怪物を打ち倒した。


夜。目を覚ました少女に話しかけるフェイだが、彼女は地上人<ラムズ>に素性は明かせないと警戒する。

しかし手当てをされたことに気づいた彼女は、森を出るまで共に行動しようと言うフェイの提案を受け入れた。これから2人で協力していくのにお互い名前も知らないのではやりにくいというフェイの提案もあり、互いに名を名乗る2人。彼女は「エリィ」と名乗った。

「ああ、そうか。そうだったよな、"確か"

「??」

彼らは夜が明けるのを待つ事にした。

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